現在、日本の経済はアベノミクスなどの影響により、株価も上昇し、景気が回復しているように見えます。
実際、日本経済の回復への期待感から、市場へお金が流出する為、経済のしくみとしてはいい方向に向かうと信じられています。
ただし、忘れてはならないのは、根本問題は何も変わっていないという事です。そうです、このブログで何度も取り上げている「少子高齢化問題」です。
少子高齢化についての記事はこちらを参照してください。
>>日本の少子高齢化が抱える問題。社会保障給付費が20年前の倍以上!
政府がこれからどんなにいい政策を打ち立てたとしても、この大問題から目を背けては、その効果も一時的なものでしかないでしょう。そして、この問題は国と国民一人一人が真剣に取り組む事が必須です。
結論、今のままではこの国の経済が破たんするのは時間の問題です。
その為、これから必要なのは今まで以上に、国民が頑張る必要があります。では、実際に何が必要かと言うと、一つは高齢者の雇用の拡大です。そしてもう一つは、大学進学についてです。
今回は、高齢者の雇用の拡大について述べたいと思います。
定年制度がもたらす雇用(生産性)損失
まずは、定年制度から考える必要があります。理由として、少子高齢化が進んでいく中で、現役世代だけでは、高齢者の社会保険などをカバーするのは難しいからです。
その為、働けるうちは働いてもらわないと、これからの日本経済は立て直しができません。
実際、私の父親は70代ですが、生活のために肉体労働で働いています。これには理由があり、本人が悪いのですが、国民年金を受け取る為の必要額を払っていなかった為、役所で受け取れないと言われたそうです。
ただし、高齢者を雇うには、様々な”要素”を考えなければなりません。
・体力仕事、長時間労働は難しい
・同じ会社に雇用し、高い給与を払い続けるのはNG
⇒若い人の雇用のチャンスを失わせる
・生産性の高い仕事に従事させる
⇒ただ給与を支払うためのしくみではダメ。
・過去の実績、ノウハウを活かせる仕事を提供する
様々な課題はありますが、きちんと再雇用先を提供する事により、これまで税金を受け取るだけの高齢者が、自ら稼ぐ事により、支払う年金額を減らすことを実現させます。
増え続ける医療費、、、これが一番の課題
もう、今の日本は楽観的な考えでやっていけるような状態ではなくなってきています。少なくとも、人口ピラミッドがきれいな形をしていれば、問題ないのですが、なにせ日本は長寿国。
もう、冗談抜きで”きれい事”では、済まされなくなる時代がやってきます。
そして、以前の記事でも書きましたが、今の医療費が高額な原因は、65歳以上の高齢者なのです。
>>2013年度の国民医療費が過去最高の約38兆円!1人当たり医療費はなんと30万
【人口一人当たり国民医療費】
65歳未満:17万4,800円
65歳以上:72万900円
そして、これと関連して見ていただきたいのが、こちらの過去記事です。
>>喘息で病院に行って思う事。必要な治療をすぐに受けられないくらい高齢者が通院している事実
記事のテーマではなく、この記事に、日本の人口ピラミッドの推移を抜粋しています。ここで重要なのは、2060年には、65歳以上の人口が増えている事です。特に75歳以上。おそらく今より医療費が高くなります。
少なくとも40兆円は超えて、45兆円くらいになっているかもしれません。さらに、65歳以下の現役世代は減少し、9千万人以上いたのが、2060年には5千万に近くに減少します。
つまり、、、単純計算ですが、税収入は半減し、20兆円。
税収:20兆円
予算:100兆円
不足:-80兆円
おそらく、国民の大半は、今よりもさらに厳しい生活を強いられるようになるでしょう。そして、娯楽に使えるお金も減りますから、国民の余裕があって成り立つビジネスは継続が難しくなっていく。
そして、さらに悪いのが、日本の国民性です。今より厳しくなる状況を考え、ますます、貯蓄にまわすようになり、お金が市場に流れ込まなくなり、経済は停滞していきます。まさに負の連鎖。
ちなみに、企業であれ、国であれ、余裕があるときに対処していなければ、身動きがとれなくなります。まさに、「いつ改革するの?今でしょ!」という状態なのです。
いつもいいますが、景気回復は確かに大切です。しかし、それ以上に、増え続けている支出を抑える事を考える事の方が、今の日本にとって圧倒的に重要です。
国も企業に頼り過ぎるのは危険です。企業は逆に国によって経営が困難になっているのですから。
ちなみに企業は余裕がなければ、新しいチャレンジができなくなります。投資ができないのです。
今後、搾取する事ばかり考えていたら、日本の国民性から考えると、経済はより停滞していきます。早く捨てる事を覚えて、無駄だとわかっていることはさっさと捨てる。その覚悟がないと、ダラダラと終焉の時を迎えることになるでしょう。。。
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